透明水彩の妙
透明水彩を使って重ねた色の変化を楽しむ
図書館で借りた本から実際に版を作ってみました
透明水彩を使って重ねた色の変化が楽しめます
色割の参考として今後使えますね!!
(参考文献 古谷博子 木版画を作ろう 阿部出版)
原画です 黄色・赤・緑・青の4色を使って
塗り重ねていく箱を作って 版木を彫っていきます
概ねハガキサイズ 彫るところは省略
ハガキサイズにカットした和紙を新聞紙にはさみ霧吹きで湿しておきます
黄色から摺ります
板に絵具と糊を置きハケでよくなじませ
馬簾で摺りあげて まず黄色が終了
ちなみにこの手順は江戸時代の浮世絵版画と同じです
黄色⇒赤⇒緑⇒青 の順に摺りました 摺る順序で出来の色味は変わると思います
青で完成
黄色の変化がわかりやすいですね
赤と青で紫はきれいですが赤と緑+他は
ほとんど茶系でよくわからないです(笑)
たまには道具たちのお世話
バレンの竹皮が痛んできていたので包みなおし!
ふだん何気なく使っているのですが、さすがに竹の皮も摩耗で穴が開いたり割れたりしてきます
そこで新しい竹皮に包みなおします
私が普段使っているバレンは直径13センチの大きさで道刃物工業㈱製の創作バレンでベタ版用のものです
摺り具合が気に入りずっと使っています
13センチというのも摺り師は男性が多く、男性の手になじむ大きさということでその大きさになったとの事 でも女性の摺り師もたくさんいますよ!
創作バレン
当て皮はプラスチック、芯は塗装硬化させた紙ひも、それを竹の皮で包んでいます
本物の当て皮は和紙、蕨粉、渋柿、本絹、漆で作られ芯は竹の皮を割いて編んでこぶを作って巻いたものとの事
気が遠くなる手仕事の作品です、10万円以上というのも納得
私も本物は資料でしか見たことがありません
竹の皮は扱いがむずかしいので いつも うまく 包むことが出来ません
今回は竹の皮を水で十分湿し(一晩つけて置きました) 柔らかくし、
布でふき取り、ハサミの柄でしごいて 繊維を柔らかくしてやり、形を決めて
ハサミで切ります
芯を包んで縛って固定します 包むときに繊維に沿ってすぐ割れます
今回はなんとか 1回で2個包むことが出来ました
出来上がりはきれいではありませんが 十分使えます(笑)
もっともっと修行が 必要です (笑)
年賀状
11月くらいからさて年賀状はどうしょうかといつも悩む。
最近は版画で作品を作りそれを自分でデジタル化して印刷会社に必要な枚数をお願いし
てきた。表面に自分の住所をプリントし、手書きで一言を添えて宛先を書いて投函とい
うスタイルだった。
頂く年賀状も様々で版画以外の知人も手刷りの年賀状を多く頂く。やはり手書きや手
作りを感じさせるものは頂いてうれしい !
中には表も裏もすべてパソコンで名前の一部も間違ったままというのもあるが・・・
昨今 メールが当たり前で手を掛けた年賀状はだんだん少なっていくのでしょう。
今年は、仕事も辞めたことだし、原点に戻り、若いころのように全部手刷りでやって
みようかと思い立ち、ついでに過去の年賀状を整理してみた。
風景作品を抜粋して掲載します。30代~40代のときは280~320枚を手刷りしていた、
我ながらその時の根気とパワーに驚嘆です。
この年賀状たちが今の私の木版画人生の根っこになっています。
1989年 1990年 1991年
釧路米町にあった 釧路鶴ケ岱公園にできた 釧路愛国にあった
たかの旅館 鶴翔庵 とんがり帽子のサイロ
残念ながら焼失
版画のモチーフに随分
お世話になりました
1994年 1995年 1996年
釧路 港文館 新得方面のサイロ 釧路末広の料亭
啄木の縁がある旧釧路新聞社が 320枚×8色 2560回
モデル 現在は資料館と喫茶 気の遠くなる摺り
1998年 2001年 2005年
富良野 六郷 釧路 米町展望台 釧路 米町展望台
北の国からのロケ地 この作品から夕日の表現
を研究して制作
会社の慰安旅行でスケッチ・写真から年賀状にした作品
2000年 2007年 2011年
たまには道具たちのお世話
日頃お世話になっている道具たちの手入れも大切です!!
彫刻刀の研磨です
自分でできるものを並べました。
ついでに包丁・ベティナイフも(笑)
三角刀は無理です! (札幌宮文さんにお世話になっています)
最初は荒砥石でサッと研いで
つづいてフェルトのバフで磨きます
この音を聞いていると何故かアイスホッケーを
やっていた時のスケートの研磨を思い出します。
これでピカピカ、版木もサクッサクッと彫れるでしょう!!
ポストカード マーチン000-28エリック・クラプトン
自分のギターをデザイン化して版画を制作します
①原画を描く
写真や10年前の作品を引用しまとめていきます
前回よりボディとピックをやや大きくしました
②色分け
転写をする前に 何版にするか考えます
細い線が多いので板の目にも注意が必要です
※板の目に直角に細い線は無理です
細い線は板目に沿って彫るのが原則
4版にします
aボディ 黄色
bピック・ネック・ピックガード・罫線 明るい茶色
c字・フレット・全体の線 暗めの茶色
d弦 黒
③版木に転写
原画を4枚コピーします (コンビニで大型機を使って)
版木にラッカーを塗り、コピーした原画を摺りこみます
板の目を考えて4枚作ります
彫りやすいようにブルーの絵具を塗ります
※彫った跡がわかりやすい
④彫
abcdの4枚を彫っていきます
⑤摺り
色のうすい順から摺っていきます
aボディ の摺り
bピック・ネック・ピックガード・罫線 明るい茶色
c字・フレット・全体の線 暗めの茶色
d弦 ほぼ黒
4枚を並べるとこうなります
もちろん 分解の仕方や色を変えると出来上がりも 違う雰囲気になりますね
前に戻りますが ②の色分けが初心者の方には難しいかもしれません
頭をひねりましょう(笑)
⑥調整
出来具合を見て はみ出ているところなど あれば彫って調整します
当初ボディに縦線を入れてましたがスッキリ 取ってしまいました
クラック(割れ)のように見えました(笑)
⑦完成
落款を押して完成
冬の朝 制作過程 2/2
主版ができたので 薄墨の版を作っていきます
②薄墨版の制作
●主版から転写
・主版の摺った紙の下にカーボンを入れ、
見当や薄墨をつけたいところを原画を見ながらなぞります
・裏にカーボンで転写されました
・版木にカーボンをのせ、その上に裏側にした主版をのせて
必要なところを書いていきます。
・薄墨をつけたいところを残し、後はひたすら彫ります
・赤いライトも表現したかったので もう一枚 版木を彫りました
・試し摺りをして薄墨版の完成です
③完成 10月14日
・越前和紙を用意します 見当は絵から3cm離しました
・薄墨版から摺ります 薄墨の色具合を見て 同じところを
何度も摺りこむことがあります
薄墨版の完成
・ある程度 乾いたら 主版に黒インキをのせ、丁寧に余分な
インキを取り 本摺りです
・シリアルナンバー(APにしました)、タイトル、制作年、サイン、落款を入れ完成
落款は版画であまり入れないようですが個人的に好きで押印しています
完成
タイトル 「冬の朝」木版3版 画寸 縦50.0 横72.5cm 黒・青墨・キナクリドンスカーレット